Column
Our Roots


 15 April,2012    The golden age of rock'n'roll / Mott the hoople
Mott the hoople Live
 
 Mott the hoopleを初めて聴いたのは、当時大学生だった従兄が友人から借りてきたLive盤だった。OGは中三でRockの深みにハマり始めた頃だったが、実はその時の印象はLPジャケットの、ステージでギターを抱えたバンドメンバーの見慣れない派手な衣装(それがグラムロックと呼ばれるカテゴリーに属するものであることは後になって知るのだが)くらいなもので、サウンドに関してはどう感じたのか全く記憶にない。恐らくその時は何も感じなかったというのが本当のところだと思う。 
 
中学、高校と学業成績が停滞するのに反比例して、様々なアーティストの音楽に触れる中Rock偏差値は上昇してゆくのだが、そうした時期にDisk Union の中古盤コーナーで再会(高2の中頃だと思う)したのが前述のアルバムであり、Mott the hoopleであった。
Stones、David Bowie、Rod Stewart & the Facesあたりがその頃のfavoriteだったが、そこにMottが加わるのにさほど時間はかからなかった。
 
Mottの最大の魅力はミディアムテンポのRock’n’rollにあり、心臓の鼓動とシンクロするそのノリの良さは、Stonesと双璧を成す。StonesのサウンドがKiethを中心としたR&Bをルーツとするギターのリフとカッティングが生み出すgrooveであるのに対し、Mottは曲作りのほとんどを手がけるボーカルのIan Hunter(サングラスとブロンドで長髪のカーリーヘアーがトレードマーク)がピアノプレイヤーであるためかpiano boogieのgrooveが感じられるのと、ギターが後にBad companyを結成するMick Ralphsだったということもあって、よりハードロック寄りのサウンドが特徴だと言えるだろう。
 
70年代の前半から半ばにかけて一時代を築いた英国での名声と比較して、Mott the hoopleの日本での知名度と評価は極端に低い気がする。TVやラジオでMottの特集が組まれた記憶は一度も無いし、音楽好きの仲間でもMGとだけしかMottの話題は通じない。
Mott解散後Ian Hunterが、Mick Ronsonと組んだ “Welcome to the club”もLiveの埋もれた名盤である。“革命” “バイオレンス”といった刺激的な言葉を散りばめながらMottoとIan Hunterが演じた “ロックンロール・サーカス”の輝きは海を越え、ティーンエイジャーだったOGのもとへと届き、今も心の中で妖しい光を放ち続けている。
(OG)


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